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不動産投資で使うローンとは??

2021/09/12

不動産投資を始める際に、まず不動産を購入するための資金を用意する必要があります。
しかし、大きな買い物になるため現金一括でお支払いをする方は少なく、金融機関で借り入れをして賃貸運用をしながら返済をする方がほとんどです。
今回は投資用の不動産を購入するためのローンの内容や、融資されるまでの流れについて、ご紹介していきます!

 

不動産投資ローンと住宅ローン

「投資用物件は、住宅ローン組めないのないの?」というご質問をよく頂きます。
一見「住宅」という言葉から、物件であればすべて対象であると思われがちですが、そうではありません。
不動産投資ローンと住宅ローンにはどんな違いがあるのでしょうか。

 

(1)借入目的

住宅ローンとは、自分で住む家の購入や、増改築をするためのローンに限定されます。
第三者に貸し出しをして収益を得る目的の投資用の物件には適用されません。
つまり収益用の物件を購入するためには、不動産投資ローンを組む必要があります。
数年前に、住宅ローンで投資用の物件を購入するということが、不動産業界で問題になりました。
これは金融機関との契約において重大な違反行為に当たり、一括返済を求められる事案に該当します。

 

(2)返済原資

返済原資とは、借入金に対して返済をするための資金源のことを指します。
住宅ローンの場合、購入者自身の給与収入が返済原資になります。
不動産投資ローンの場合は、「賃貸経営」という事業によって得られる家賃収入が返済原資になります。

 

(3)金利

なぜ(1)で述べたような問題(投資用物件を住宅ローンで購入する問題)が発生したのか。それは金利の違いが大きなポイントです。
金融機関によって金利は異なりますが、住宅ローンの場合はおおよそ0.5%~で、不動産投資用ローンの場合はおおよそ1.5%~になります。(年利)
この2つの違いは、給与収入による返済と異なり、空室や家賃減額などのリスクが大きい家賃収入での返済は、貸し倒れのリスクが高いためです。

 

(4)審査内容

住宅ローンの場合、返済原資が給与収入になるため個人の属性が審査の基準です。
年収や勤務年数、貯蓄額や借入金額など、返済能力を審査されます。
一方不動産投資用ローンでは個人の返済能力に加え、物件自体の収益性や事業性も審査対象となります。
物件の築年数や、立地、駅からの距離や家賃などによって審査され、借入金額が確定します。

 

金融機関選び

 

(1)都市銀行(金利:1%前後)

他金融機関に比べ低金利で長期の借入が可能ではありますが、勤務先や年収など、融資審査の基準が非常に厳しく、不動産投資初心者の方は難しいという点が特徴です。
中心都市の物件で、築が5年以内の物件を購入する場合に活用すると良いでしょう。

 

(2)地方銀行(金利:1.5~4.5%)

銀行によって融資条件は異なります。
比較的低金利で審査基準も柔軟ですが、都市銀行に比べて金利が高く融資できるエリアも限られます。
個人の属性を重視するので、居住エリアの地方銀行であれば活用することをお勧めします。

 

(3)ノンバンク(金利:2.9~4.5%)

預金業務を行わず、貸付のみを行う金融機関のことです。
融資エリアが広く、審査が柔軟で融資期間も長いので、初めての不動産投資の方が多く利用するのがノンバンクです。
都市銀行や地方銀行で融資不可の物件でも可能なので、ハードルは低いですが金利が高いため慎重な資金計画が必要です。

 

(4)政府系金融機関(日本政策金融金庫)(金利:1.2~2.0%)

高齢者でも融資が受けやすく、他の金融機関に比べ低金利であることがポイントです。
しかし融資期間が短く、不動産業者ではなく自身で借入の交渉をする必要があります。
他で断られてしまった物件でも、幅広く対応してもらえます。

 

審査の流れ

不動産投資ローンの融資実行までは、早ければ2~3週間の場合もありますが、1カ月程度はかかると考えておきましょう。

 

(1)事前審査

まず、金融機関へ提出する必要書類を用意し、事前審査を依頼します。
事前審査で収入状況や借り入れ状況、購入物件の概要などの審査を行います。

 

(2)売買契約

事前審査が通れば、金融機関からの借入ができる可能性が大きいため、不動産購入のための売買契約を締結します。
※万が一、本審査で融資が断られてしまった場合に備えて、「ローンの審査が通らなかった場合は、売買契約を白紙にできる」という特約を付けて契約します。

 

(3)本審査

本審査では、購入物件についての詳細を審査し、売却時に貸与した金額が回収できるのかを判断します。
それと同時に、借主の健康状態などについても調査される場合があります。

 

(4)融資実行

本審査通過後、物件の引渡日に融資が実行されます。
この時に抵当権設定登記を行う場合がほとんどです。

 

不動産投資ローンは、基本的に不動産業者が窓口になり金融機関とのやり取りを行います。
自信が購入する物件の売主、もしくは仲介会社に金融機関を紹介してもらうことで、購入予定の物件に合ったローンを選んでもらえます。
また、月々のローン返済で苦労しないためにも、購入前の資金計画は慎重に行いましょう!